【谷川岳】雪洞泊と雪訓 登らない雪山


ピークハントだけが登山じゃないと言ったりすることもありますが
今回はそんな内容の記事になります。

2年くらい前から雪山へちょこちょこ行き初めて
その時に雪洞という野営の方法があることを知りました。
で、なんでもやりたがる自分はお山の師匠とでもいえる人に
「雪洞教えてください!」なんて言ってたわけですが
今年ついに師匠から、「じゃあ考えてみるね~」とお言葉がかかり、決行となりました。

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結構2日前。テンション上がって準備を始めます。
師匠からは「久しぶりに雪訓でもやる~?」と言われたので
普段の山行では使わないような確保道具も詰め込んでいます。
重量約20kgなり~。

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場所は谷川岳。
豪雪地帯であり、雪洞始め雪訓でも有名な山です。
天神平まではスキー客らに混ざってゴンドラで上がります。
天気はいい感じ。自然とテンションも上がります。

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稜線までの20分くらいがなかなかの急登です。
雪山は雪崩の心配のない稜線へ一気に上がるところから始まります。
ふかふかの雪(と言ってもひどい時に比べれば全然問題ないとのこと)が行く手を阻みます。
雪訓してる団体がラッセル練習してました。
このポイントはスキー場併設なので、スキーコース外の登山者コースを歩くのですが
結構コース外滑走が多くて、ヒヤヒヤしました。
登山団体がいても平然コース外に突っ込んでくるのはどうかと思うんだ。
バックカントリーの人もとても多かった。
いつかはやってみたいけど自分の雪山の経験値、ボードの能力じゃ確実に遭難する。
ステップアップが大事やね。

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ほどなく稜線に出ます。
双耳峰の谷川岳の低い方、トマの耳が見えます。
山頂はガスってますが、悪くない天気。ただちょっと風が強かったです。
こんなもんじゃないということなので、ましな方なのでしょう。

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雪洞適地を探しながら稜線を歩きます。
雪洞は雪がある程度ないと作れないので、ゾンデ棒(プローブ)を使って
積雪2m50cm以上のところを探っていきます。
ゾンデ棒は雪崩の救助でも活躍するアイテムなのですが色々使い道があるんですね~。
もう一つは竪穴で掘ると排雪が難しいので、横穴で掘りたいということです。
そうなるとある程度の斜面に作るのがいいみたいです。
斜面を下るので一応と、アックスビレイで確保して探しました。

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丁度いい斜面を見つけたので掘り始めます。
色んなスタイルの掘り方があるようですが、今回はまず足場を作って、斜面を崩して行きました。
写真は失敗した穴です。ちょっと積雪量が少なくてすぐ地面に・・・。これじゃ高さが確保できません^^;

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2回目はいい感じのポイントがあったので、成功~。
ある程度、斜面を崩したら横穴を掘っていきます。
ここまでが雪洞作りの核心部。スコップに力を込めにくいは、排雪が大変だわで中々作業が進まず。
日没までに終わるか不安になったあたりです。

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気が付くとトマの耳がドピーカン。
相変わらず風は強いですが、登った人は絶景を楽しんだに違いない。
でも今回の自分の楽しみは目の前の作品に注がれている。

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段々横穴も広がってきて中に入って作業できるレベルに。
ここまで来ると作業スピードが格段に上がり始めます。
スノーソー何かで、ブロック状に切るといいとのことですが
雪がそこまで固くなかったので、背中を壁に付けて踏ん張りを聞かせて足でスコップを使うことで壁をガンガン削っていきます。

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作業も大詰めですが、中途半端な明るさで完成間近の雪洞は撮れず。
というか明るくても真っ白い壁なので写真が難しいです。
夕焼けに染まる谷川をお楽しみください。
真冬の谷川のこの瞬間を見るには、一泊必要なので、テント泊か我々のような物好きだけの光景かもしれませんね。
その後、雪洞は目印の赤旗を立て、入り口にツェルトをかけて完成しました。

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雪洞作ったらやってみたかった。ロウソクの灯りでゆったりする図。
ロウソクは、酸欠のサインとしても使えるので持ち込みたいアイテムですね。
宴会はおでんとラーメンの晩餐でした。
水は壁を削って火にかければ出来上がるというお手軽さ。

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雪洞ないを円周魚眼で。
しかし、カメラには悪い環境でレンズが続々曇る~。

雪洞内で一晩明かしての感想

  • 理論的には0~-5℃以下にならないという雪洞。冬用シュラフとシュラフカバーで快適に眠れた。
  • 入り口の設置を失敗。雪が吹き込んで顔に当たるのは大誤算だった。天候が悪かったら悲惨な経験をするところだったので、貴重な経験として次回に活かしたい。
  • 色んな道具を使ってみることで、道具の重要性が分かる。ツェルトはいい加減買っておきたい。
  • 服越し、シュラフ越しでも雪に接触していると寒い。必ず何か断熱できるものを敷く。
  • 意外と天井が下がってくるといったことはなかった。
  • シュラフカバーなど透湿素材は大事。ないと衣類が一切乾かない。シュラフはびしょ濡れになるとか。

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翌朝。
本当は、黎明の谷川岳としゃれ込みたかったんだけど起きてみればこのざま。
やる気なくして寝てました。(注:写真はやる気なくして寝て起きてから撮ったものですが、黎明時も降っていたので諦めたという次第です)

朝ごはんはお汁粉を作って食べました。
甘く温かい食事が冷えた体を癒します。

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雪洞から這い出して、雪洞を破壊していると知ってる顔が・・・。
偶然、あいつとエンカウント。
「こんなとこで何やってんの?」
「いや、昨日ここに泊ったんだよ」
「まじかよ・・・」
短い会話の後、彼は去っていきました。

ちなみに、使用後の雪洞の破壊はマナーだそうです。
落とし穴にならないようにということで。

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早々にゴンドラに乗って、下山します。
そのころには、良い天気になってました。

で、家に帰ってまったり~とは行きません。
続いて雪訓です。
雪山をはじめ、危険個所のある登山をやる身としては、知識の吸収や、訓練は欠かせません。
師匠に天神平のゴンドラ乗り場付近で、色々教わりました。

・ビーコン
ビーコンの使い方を、脳みその片隅から消えかけている電界の話に始まり理屈から学習。
電界は発信源から両脇に楕円を描く用に発生するので、捜索も必ずそれに沿うようになるんだとか。
で、実際にビーコン捜索実習。
雪崩で埋まった人を救助するタイムリミットは短く。5分以内に場所を特定し、掘らないといけません。
初ビーコンでも見つかりましたが、定期的な練習の重要性を感じました。
・滑落停止
ちょっと雪が凸凹であまり滑るほどの傾斜もなく断念。
それでも、ピッケルの持ち方や刺す方法を確認。
・アックスビレイ
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シュピッツェからピッケルを雪に突き立てて、シュリンゲを掛ける。
シュリンゲに環付カラビナを掛けて、ロープを通し、ピッケルを踏みつければ完成。
こんな単純な方法でも確保の支点を作れるというのは目からうろこ。
・肩絡み
道具がない時のビレイ方法として。一応、懸垂下降もできるけど、痛そう。
アックスビレイと合わせて、雪洞の適地探しにも大活躍。
簡易的な方法なので、より安全に確保する場合はエイト環やATCを使う。
・懸垂下降
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まったく懸垂じゃない斜面だけどエイト環で体験。
肩絡みで試すもやっぱり痛い・・・。懸垂じゃ絶対無理。

雪訓と同時に確保の重要性とか再認識する。
行ける行けるで突っ込んで、行けなくなったら?
引き返せばいいじゃないと思うかもしれないけど行きと帰りで難易度が違うことなんてざら。
クライミングやってて、登るより降りる方が難しいのはよく知ってる。
そんなとき、ちょっとした道具と使い方の知識があれば何とかなるかもね~。
っていうそんな話。

というわけで、ピークハントを目指さない登山でした。


kou

kou

カメラを買ったことをきっかけに、アウトドアを始める。 そして数年を経て、気が付いたら趣味人間になっていた。 主な活動の場はFacebookだったが 友人に触発されて、ブログに手を出すに至る。

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